「遅くなってゴメン」
細野さんの声に胸が“トクン”と小さく跳ねた。
視線をキャンドルから細野さんに移す。
でも恥ずかしくて顔が見れない。
細野さんが椅子に座った。
「もう何か頼んだ?」
細野さんがニコッと微笑む。
やっぱり恥ずかしくて顔が見れない。
「まだ何も……」
目線を外したまま言った。
顔が赤いのがバレそうなくらい熱い。
「そかそか」
細野さんはそう言うと「山岡~!」とパーティションから顔を覗かせて大きな声で言った。
山岡と呼ばれた男性が個室にやって来る。
あっ……さっきの彼だ……。
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