義伯母さんに友達と晩ご飯を食べに行くから晩ご飯はいらないことを電話で伝えて、細野さんに指定されたお店に行った。


ガラズ張りのオシャレなビルの地下にあるお店。


看板には『Dining bar』と書いてあるからレストランではなく、お酒が飲める大人のお店かな。


こんなオシャレなお店に私のような未成年が入っていいのか……。


私は鉄製の重たい戸を開けた。


中はオレンジ色の間接照明とキャンドルの光だけが輝いている。


あまり広くない店内。


カウンター席とテーブル席が3席あるだけ。


スーツを着た男性や女性。
若いカップルがいて賑やか。



「いらっしゃいませ」



ジーンズにTシャツというラフな格好の男性が出て来た。



「あ、あの……私……」



何て言えばいいのか……。



「もしかして……健の連れ?」


「えっ?」



私は男性の顔を見た。


ニコニコ顔の男性。


健って細野さんの名前だよね?


彼は細野さんの友達?


それともここの常連?


まぁ、店を指定するくらいだからどっちかだと思うけど……。



「……そうです」


「こちらへどうぞ?」



私は彼の後ろをついて歩いた。