細野さんにアパートの前まで送ってもらった。
「今日はありがとうございました」
「いつでも遊びに来てよ。あと、いつでもメールや電話してくれたらいいからさ」
細野さんが微笑む。
「でも……」
迷惑になるんじゃ……。
「迷惑だなんて考えんなよ。迷惑だと思ったら最初から舞ちゃんにスタジオに遊びに来いなんて言わねぇし」
私の心の中を見透かされてるみたいで、おかしくて笑ってしまった。
「何笑ってんだよ」
細野さんもクスッと笑う。
「だって私の心の中を見透かされてるみたいに思えたから……」
「舞ちゃんの考えてることなんてだいたいわかるよ」
細野さんは私の頭をポンポンってした。
「じゃーな。ちゃんと戸締まりして寝ろよ」
「うん」
細野さんは大通りの方向に歩いて行った。
私は自分の部屋に入った。