「ここさ、俺の秘密の場所。曲作りに行き詰まったり嫌なことがあったらここに来てるんだ」
細野さんがしゃがみながらそう言った。
「秘密の場所?」
「うん。メンバーも知らないから……」
メンバーも知らない秘密の場所を何で私に教えてくれたの?
「でも、舞ちゃんは特別」
細野さんが私を見上げてニコッと微笑む。
「特、別?」
「うん。舞ちゃんに元気になってもらいたいから。それに……ネックレスを見てクローバーが好きなのかなぁ?と思ってね」
「好きです……」
「良かった」
細野さんが再び微笑む。
「細野さん?」
私も彼の前にしゃがむ。
「ん?」
「ありがとう……」
「お礼なんていいよ。少しは元気になった?」
私は“うんうん”といっぱい頷いた。
嬉しさで胸がいっぱいになって、それが涙として目から溢れ出した。



