「少しは落ち着いた?」
細野さんが下から顔を覗き込んだ。
「……はい」
「そっか。良かった。送って行くよ」
「あ、はい……」
細野さんが立ち上がり、私も立ち上がった。
「大丈夫?」
「大丈夫です」
私が返事をすると、細野さんはニコッと微笑んだ。
そして私と細野さんはスタジオを出た。
外に出ると、車も人もあまりいない。
もう男性の喧嘩してる声も聞こえなかった。
「あの、今何時ですか?」
「今?」
細野さんが腕時計を見る。
「もうすぐ0時になるけど?」
「そんな時間になってたんだ……」
随分長い時間、気を失ってたんだ……。
細野さんに迷惑かけちゃったな。



