【完全版】このいっぱいのLove Songをキミに捧ぐ





「それに……」



細野さんはそう呟くと2本目のタバコを口に咥えて火をつけた。



「それに?」


「俺らは芸能人じゃないしね」



そう言ってタバコの煙を吐き出した。



「えっ?」



芸能人じゃない?
CDも売ってて、ライブもしてるのに?



「また意外って顔してんな」



細野さんがニコッと笑う。



「CDも売ってて、ライブもしてて、人気もあるのに?」


「まぁ、音楽で飯食ってるけどな。だけどメンバーは誰も自分たちが芸能人だとは思ってないよ」



細野さんの話を聞けば聞くほど凄い人に思えてくる。



「俺らはさ、誰にも文句言われずに自分たちの本当にやりたい音楽が出来ればそれでいいんだ。

別に売れようとか思ってねぇし。

俺たちの曲を本当に好きなヤツだけに聴いてもらえたらそれでいいしさ。

大手レコード会社に所属して、売れるためにプロモーション活動したり、縛られるのがイヤなんだ」



そう言い終わると、タバコを吸って、煙を天井に向かって吐き出した。