スタジオの中は見たこともない機材やモニターがあった。
すごい……。
私はキョロキョロを見渡した。
メンバーとスタッフらしき人がいて、楽しそうに話をしてたり楽器を持っていたりしている。
楽器を持っている人がメンバーなのかな?
皆が私の顔を見る。
その顔は笑顔で、私はホッと胸を撫で下ろした。
「これに座って?」
細野さんがキャスター付きの椅子を持って来てくれた。
「あ、ありがとうございます」
椅子に座る。
「あ!あのこれ、この前のお礼です……。たいしたものじゃないんですけど良かったら皆さんでどうぞ?」
私は細野さんにコンビニの袋を渡した。
「えぇ!良かったのに~!でも、ありがとう」
笑顔で袋を受け取ってくれた。
「でもここがよくわかったね」
「交番で聞いたり、歩いてる人に聞いたりしたんです」
「そうなんだ。わかんなかったらメールしてくれたら良かったのに」
細野さんはそう言って、ニコッと微笑んだ。