「おーい!細野?」
スタジオのドアを開けた吉形さんが中に向かって大きな声を出した。
「あ?」
細野さんの返事が聞こえる。
「お前とメールしてた子が下にいたから連れて来てやったぞ」
「はぁ?マジ!?」
細野さんの驚いた声が聞こえたと同時に“ガタン”と音が聞こえた。
多分、椅子から立ち上がった音だろう。
ドアの外でドキドキしてる私。
吉形さんは中へ入って行った。
吉形さんと入れ違うように細野さんがドアの外に出てきた。
「こんばんは」
細野さんの声で、俯いてた私は顔を上げる。
少年のような笑顔の細野さん。
「あ、こ、こんばんは。突然、すいません……」
私は頭を下げる。
「来てくれてありがとう。中入る?」
「でも……迷惑になるんじゃ……」
「そんなに気遣うなって!」
細野さんがドアを開ける。
「どうぞ?」
「お、お邪魔します……」
私が中に入ってから細野さんが入りドアを閉めた。