「…………んっ」
目をゆっくり開けると、見慣れた白い天井が見えた。
あ……生きてる……。
顔だけ動かして、部屋を見渡す。
ベッドに腰掛け、こちらを見ている太一の姿が目に入った。
太一と目が合う。
ベッドからゆっくり立ち上がり、私の方へ歩み寄る太一。
「舞?ゴメン……」
お決まりのセリフ。
「俺、もう舞のこと殴ったりしないから……ゴメンな……」
そう涙声で言って、私を優しく抱きしめる太一の肩は少し震えていた。
このセリフを何回聞けばいいんだろう……。
これから先、太一と付き合ってていいことあるんだろうか……。
太一に会うたびにビクビクして殴られ蹴られて……。
もう、限界なのかもしれない。
いや……限界だった……。
太一と付き合うことに限界を感じていた。