「太一には……関係ない……」



太一とは夫婦でも家族でも何でもない。


彼氏ではあるけど赤の他人。


そんな赤の他人にバイトを辞めろとか言われる筋合いはない。



「はぁ?てめぇ、誰に向かってそんな口の聞き方してんだよ!」


「…………っ!」



太一は私の髪を掴んで、私の頭を思いっきり壁に打ち付けた。


頭が割れてしまうんじゃないかと思うくらい痛い。


ガンガン、ガンガンと何回も壁に頭を打ち付けられる。


今度は髪の毛を掴んだまま私の体を床に引きずり回った。


プチプチと髪の毛が抜ける音がする。


私が抵抗しないことを良いことに、今度は私のお腹や背中を蹴りだした。


叫んだりする気力すらない。


ただ、涙がポロポロと流れるだけ。


あぁ……。


私、死んじゃうかもな……。


でも、この恐怖から逃れられるなら死んでもいいかも……。


そんなことを思いながら、私の意識は飛んでいった。