俺は舞の肩に腕を回し、自分の方に抱き寄せた。
舞の香りがする。
「舞、ゴメンな……」
「たけ、るさん?」
「俺、バカだからさぁ。舞が俺の前からいなくなった理由(わけ)も、手紙に書いてた言葉の意味もわかんなかったんだ……。でも、やっと意味がわかった」
不思議そうな顔で、俺の顔を見る舞。
その顔、ヤバい……。
キスしたくなる。
「美香には黙っててくれって言ったんだろ?」
舞は何も言わず、コクンと頷いた。
「美香が舞との約束を破ったのは謝る。ゴメン……。でもな、美香は俺のためを思って話してくれたんだよ。美香も苦しかったんだと思う。だから美香を責めないでやって欲しい……」
俺がそう言うと、舞は再びコクンと頷いた。
「なぁ、舞?何で言ってくれなかったんだ?何で1人で抱え込むんだよ……」
「健さんに迷惑かけたくなかったの……。
健さんの仕事の邪魔もしたくなった。
だって、ラクテは人気があるから……。
私のせいで人気が落ちたらって思ったら……。
それにね、子供が出来たことを言ったら、健さんの顔から笑顔が消えるのが怖かったの。
健さんに「堕ろせ」って言われるんじゃないかって怖かったの……だから……」
「バカ……」
そんなこと考えんなよ。
鼻を啜りながら泣いている舞の頬に伝った涙を指で拭った。



