「ねぇ、舞ちゃん……」


「はい」


「健には、もう絶対に会わないの?」


「はい」


「赤ちゃんが生まれても知らせない?」


「はい」


「本当にそれでいいの?」


「はい」



もう決めたから……。



「そう……」



美香さんは困ったような笑顔を見せて、そう呟いた。



「あの、健さんには言わないで下さい……」


「舞ちゃん……」


「お願いします……言わないで下さい……」


「わかったわ。健には言わないでおく。でもね、何かあったら相談して?これでも一応、先輩ママだから」


「はい。ありがとうございます」



子供嫌いだった堀川さんは自分の子供が生まれたら子供好きになった。


堀川さんがそうだったからって、健さんがそうなるとは絶対に言えない。


だから私は、これからも健さんに会わない。


赤ちゃんが生まれても知らせないことに決めたんだ。