診察が終わって、お金を払って、次の予約をして病院を出た。
中はポカポカ暖かかったけど、外は凄く寒い。
お腹を冷やさないようにコートを羽織り、ボタンを留めた。
性別もわかったし、赤ちゃんの服でも見に行こうかな。
そんなことを思いながら、病院の外階段を下りた時……。
「舞ちゃん?」
後ろから誰かに声をかけられた。
後ろを振り返る。
「あ……」
そこには美香さんが立っていた。
美香さんは1歩1歩近づいてきて、私の前に立った。
「久しぶりね。元気だった?」
「…………はい」
美香さんは病院と私のお腹を交互に見る。
「健は、このこと知ってるの?」
私は首を左右に振った。
「そう……」
美香さんはそう言って溜め息をついた。