「舞?ゴメン……」
私の顔を上から覗き込む太一はそう呟いた。
今まで何回“ゴメン”というセリフを聞いてきただろう……。
「私、帰るね……」
重たい体を起き上がらせる。
まるで自分の体じゃないみたいだ。
体中が胸がズギズキ痛む。
そんな体を優しく包むように太一は私の体を抱きしめた。
人形のように無表情のままの私。
感情も何もない……。
「舞?ゴメンな……。俺、舞のこと好きだよ?だから……俺のこと、嫌いにならないで?」
「ならないよ。太一のこと嫌いにならないから……」
何十回、何百回も繰り返されてきた会話。
これから先、この会話は何回繰り返さなきゃいけないんだろう……。
心も体もボロボロの私には、もう自分でどうしたいのかわからなかった。



