でも皆には体調が悪いことは黙っていた。
心配かけたくないから。
皆の前では普通に振る舞っている。
もちろん笑顔で。
でも、トイレに入った時や1人になった時には、頻繁に溜め息が出るようになり……。
そんな私に限界が来てしまった。
仕事中に倒れてしまって、そこから記憶がない。
目覚めた時、楽屋のソファの上に寝かされていた。
健さんが心配そうな顔をして手を握ってくれていた。
「健さん……」
「少しは楽になった?」
「うん」
体を起こそうとすると「寝てろ」と言って、私の体を優しくソファに寝かせた。
「体調が悪かったのか?」
「………」
私は何も言えなかった。
「舞?俺、怒ってるわけじゃないよ?」
「ゴメン、なさい……」
「どうして言わなかった?」
健さんが私の髪を優しく撫でながらそう言った。