「舞は優しい子だな……」
私は嗚咽を吐き出しながら首を左右に振った。
健さんが、泣いている小さい子供をあやすように背中を優しくポンポンとした。
「舞は優しい子だよ。俺、舞にそう言ってもらえて幸せだよ……」
「私は、思った、ことを、言った、だけで……」
「舞、ありがとな……」
私は健さんの胸に顔を埋めた。
「舞は何も心配しなくていいから……。俺、伯父さんにカミングアウトしたから……」
「えっ?」
私は顔を上げて健さんを見た。
カミングアウト、しちゃったの?
「話した時はビックリしてた」
そりゃそうだよ。
私でもビックリしたもん。
「で、腕を見せたら“カッコイイね”って言ってくれて……」
健さんがクスッと笑う。
純お姉ちゃんが髪を染めた時には「純が不良になった」と大騒ぎしていた伯父さんなのに?
タトゥーを見てカッコイイねって言ったなんて……。
意外……。
「俺さぁ、ホントは、すげー弱い人間なんだよ。だからピアスしたりタトゥー入れたりして弱い自分を隠して強く見せてんだ……。まぁ、それ以外にもカッコイイからってのもあるんだけどな……」
健さんは弱くなんかないよ。
強い人だよ。
私は、そう思うよ。



