『これから会えね?』
私は壁にかけてある時計をチラッと見た。
時計の針は13時5分を指していた。
『舞?聞いてんのか?』
「あ、うん……」
すぐに返事をしなかったから口調がイライラしてる。
『今すぐ、俺んちに来いよ?じゃーな』
一方的に電話が切れた。
まだ行くか行かないか言ってないのに……。
私に会えないか聞いてきたのに結局は太一が勝手に決めてしまう。
私には、どっちか選べることさえ許されない。
いつもそうだ。
太一が絶対。
太一の言うことには逆らえない。
てか、私は太一のことが好きなんだろうか……。
出会った頃は私の一目惚れだった。
太一のことが好きで好きで仕方なかった。
今はどうなんだろう……。
私は太一に対して愛があるの?
太一のことが好き?
自問してみる。
でも答えは見つからない。
自分でも自分の気持ちが、よくわからなかった。