キスをしながら、私の体を壁際に追いやる。


壁に背中がピッタリくっついた私の体。


片手で私の体を支え、もう片方の手でコートのボタンを器用に外し“パサッ”と音をたてて体からコートが落ちた。


スカートの中に手が侵入し、内股を優しく撫でる。


下腹がさっきよりも激しくキューと疼く。


体が熱を帯び、全力疾走した時のように息が上がる。


静かな玄関の中で、2人の吐息と舌を絡める水音だけが混ざり合い、他には何も聞こえない。



「…………んっ」



口から自然と声が漏れたとこで、健さんの唇が離れた。


“はぁ、はぁ”と肩で息をする私と、余裕の笑みを見せる健さん。


上目遣いで健さんを見る私。



「そんなウルウルした目で見られると我慢できねぇだろ?」



そう言ってクスッと笑う。



「続きは後で」



体を少し前屈みにして、私の耳元でそう囁くように言った。


そして“なっ?”と付け加えると、私の頭をポンポンとして、玄関を上がり、リビングへ行ってしまった。