「健さん、堀川さん……」
伯父さんの視線が、私から健さんと堀川さんに移った。
「はい」
「はい」
健さんも堀川さんも背筋を伸ばして、同時に返事をする。
「舞にマネージャーという仕事が勤まるでしょうか?」
「それは大丈夫です。私やスタッフが指導しますから。それに舞ちゃんは、メンバーやスタッフの間でも評判なんですよ」
堀川さんがそう言った。
そう言われて少し恥ずかしい。
「舞のこと、厳しく指導してやって下さい。宜しくお願いします」
「宜しくお願いします」
伯父さんと義伯母さんが頭を下げる。
「はい、わかりました。舞ちゃんが事務所で働くことを許して頂き、ありがとうございます。こちらこそ宜しくお願いします」
「ありがとうございます」
堀川さんと健さんも頭を下げる。
「舞、良かったな」
頭を下げた健さんが、小声でそう言った。
私は「うん」と、小さく返事をした。
そして私たちは、皆に見えないように、お互いピースして微笑み合った。
これから、仕事でもプライベートでも健さんと一緒にいられる。
この時の私は、そう信じていた……。