約束の時間は12時。


健さんは最初は、お昼の時間は避けて行くって言ってたんだけど、家族が皆で一緒にお昼を食べたらいいじゃないって言ってくれて、約束の時間が12時になった。


12時まで、あと15分。


ダイニングテーブルの上には、ちらし寿司などの出来上がったお昼ご飯が置かれている。


私のドキドキも最高潮。


そんな時、玄関の呼び鈴の音がリビングに響いた。


来た!


皆、口々に「来た」って言ってる。



「私が出るね」



私はそう言って、リビングから玄関へ行く。


あまり広い家じゃないけど、リビングから玄関へ続く廊下が今日は長く感じた。


玄関の前で深呼吸をして、玄関のドアをゆっくり開けた。



「い、いらっしゃい」


「少し早いけど……」



健さんを見た瞬間、胸がドキンと大きく高鳴った。


だって……今まで見たことないスーツを着てたから……。


堀川さんもスーツだ。


しかも、めちゃくちゃ似合っててカッコイイ。