「泣くほど、辛かったんだね……」



全て話し終えた後、店長の言葉で自分が泣いていることに気付いた。



「今まで気付いてやれなくてゴメンな……」



店長の優しい言葉に更に涙が増し、私は何も言わず、首を左右に振った。



「ホントはさ、辞める時は1ヶ月前に言って欲しかったとこだけど……」


「すいません……」



私は頭を下げた。



「でも、事情が事情だけに、俺には舞ちゃんを責める資格はないよ」


「店長……」


「舞ちゃんは良く働いてくれるし、ここだけの話、お客さんに人気もあったんだよ。だから辞められるのは残念だけど仕方ない」


「すいません……ゴメンなさい……」


「謝らなくていいから。舞ちゃんは何も悪くないんだし。井川くんには俺から、よーく言っとく。舞ちゃん、今までありがとう。また、いつでも遊びに来いよ?」


「はい!今まで、ありがとうございました。ご迷惑をおかけして申し訳ありません」


「堅い挨拶は抜き。あ、制服は洗って、また戻しに来て?」


「はい」



笑顔の店長。


私は椅子から立ち上がり、店長に挨拶して更衣室に入った。


店長が話のわかる人で、優しい人で良かった。


私は制服を脱いで、それを鞄に入れた。