「じゃあ、携帯見せて?」
太一が私の目の前に手を差し出す。
「えっ?何で?」
「だって、嘘ついてないんでしょ?だったら携帯見せれるよね?」
私は泣きながら首を左右に振り断った。
「はぁ?何で見せれねぇんだよ?嘘ついてねぇんだろ?だったら見せれるだろ?早く携帯出せよ!」
さっきまで優しく穏やかだった太一の口調が急に変わった。
「いや……」
「テメェ、何、口答えしてんだよ!」
そう言った太一は拳を振り上げた。
殴られる!
私は咄嗟に腕で顔と頭を庇う。
「やめて?お願いだから……やめて……。ゴメン、なさい……ゴメン……なさい……」
「うるせぇ!」
彼は私の胸ぐらを掴んで、上げていた拳を振り下ろした。
「イヤーーー!!!」