「なぁ、舞?今日は何してた?誰と一緒にいた?」
私の前に立っている太一が、優しくそう聞いてきた。
私より頭2つ分くらい背の高い太一。
口調は優しく穏やかだけど顔は無表情。
私が後退りすれば、太一がジワジワ前に迫ってくる。
私の体は壁に付いてしまった。
彼の両腕が伸びて、私を挟むように手を壁に付いた。
恐怖で体が震えて涙が出てくる。
「泣いてちゃわかんないだろ?ん?」
「今日は、学校が終わってから……友達と、買い物に……行って……」
「その友達は男か?」
私は首をブンブン左右に振る。
「嘘ついたらどうなるかわかってる?」
ニコッと微笑む太一。
でも目は氷のように冷たさを感じる。
「嘘じゃ、ないよ?」
涙が頬を伝いポタポタ流れ落ちる。