「何で堀川が一緒について来るんだよ?」
「だって、これから舞ちゃんをうちの事務所で預かることになるんだ。社長として挨拶するのは当然だろ?」
「だからって……今までそんなことしたことねぇくせに」
「細野の大切な人だからだよ」
大切な人……。
堀川さんの言葉に胸がキュンと疼いた。
健さんはそう言われて何も言わなくなった。
「挨拶したら俺はすぐに帰るから安心しろ」
「あぁ」
「舞ちゃん、また日にちが決まったら教えてね」
「あ、はい!」
「じゃあ、俺は帰るわ」
堀川さんはそう言って、席を立ち伝票を持つとレジへ行った。