次の日――。


12時過ぎに健さんが迎えに来てくれて、久しぶりにスタジオに行った。


皆、快く迎えてくれて、健さんに渡すように頼んでいたクリスマスプレゼントのお礼も言ってくれた。



「あの、実は今日、お弁当を作って来たんです……」



私はそう言って、紙袋ふたつをテーブルに置いた。



「えっマジ!?舞が作ったの?」


「うん」



私は、それぞれの紙袋から風呂敷に包まれた3段のお重を出した。


ひとつのお重には、おにぎりやサンドイッチやいなり寿司。


もうひとつのお重には、おかずや果物やデザート。


私と健さんの会話を聞いて、皆がテーブルに集まってくる。


風呂敷を解き、お重を開いてテーブルに置いていくと、皆から歓声が上がった。


皆、お昼ご飯は、まだだったらしく、私が来たら外に食べに行こうと話していたらしい。


割り箸と紙皿を渡していく。



「ここにいるのは独身者で1人暮らしが多いから、家庭の味に飢えてるヤツが多いんだよ」



健さんはそう言ってクスッと笑った。