後ろからギュッと抱きしめられたまま、沈黙が続き……。
短い時間なんだろうけど、私の中では凄く長く感じられ、何か話さなきゃ……って、そんなことを考えていた。
「健さん……あの……」
私が健さんの名前を言ったその時……。
…………………………。
………………えっ?
キャ!な、何?
さっきまで見えていたリビングの窓が、いきなり視界から消え、気付くと私の体はラグの上に寝転がっていた。
私の視界に入ったのはリビングの白い天井……ではなく、私の顔を上から見ている健さんの顔で……。
その瞬間、私の胸は“ドッキーン”と大きく跳ね上がった。



