健さんにネックレスを着けてもらって、前を向こうとした時……。
健さんに後ろからギュッと抱きしめられた。
“トクン――”
胸が小さく跳ねる。
「た、健さん?」
「すっげー似合ってる」
健さんはネックレスのチャームを指で優しく撫でてきた。
「あ、ありがとう……」
「舞って、青色が好きだろ?」
「うん」
て、あれ?
「健さんに青色が好きだって話したことあったっけ?」
「ううん。でも持ってる物がブルー系が多いから好きなのかなぁ?って……」
「そうなんだ」
私は服はモノトーン系が多い。
どうしても黒やグレーや白の服を選んでしまう。
でも、なぜか雑貨や小物はブルー系が多いし、ブルー系に目がいって、それを買っちゃうことが多い。
「俺、宝石には詳しくないんだけど、これ、ブルーダイヤって言うんだって。その回りの石はダイヤだって。ブルーダイヤって名前を聞いた時に、舞にピッタリと思って即買い」
健さんがクスッと笑う。
ブルー系が好きだと言わなくても、持ち物を見てわかっちゃうなんて……。
私のことを見ていてくれてるんだと思うと、それだけで嬉しくなった。



