ソファーに座った健さんは、手に持っていたものをテーブルに置いた。
テーブルに置かれたものは、Zippoのオイル。
「舞にもらったZippoにオイルを補充しとくな」
「うん」
健さんは箱からZippoを取り出し、オイルを注入していく。
注入し終わって、火がつくことを確認すると、ジャケットのポケットからタバコを取り出した。
ボックスからタバコを1本出し、それを口に加えて火をつける。
「舞がプレゼントしてくれたZippoで火をつけたら、いつもよりタバコがうまい」
「えー!ホント?」
タバコの味って変わるの?
私は吸わないからわからないけど……。
「ホントに。吸ってみる?」
「えっ?い、いいよ」
慌てる私に健さんはタバコを吸いながらクスクス笑う。
「じょーだん」
健さんはそう言って、私の頭をポンとすると、再びソファーから立ち上がって、今度はリビングを出て行った。



