「舞?履歴に残ってる番号は着拒にしとけ?」
「あ、うん。そうだね」
私は携帯を操作して、ふたつの番号を着拒にして、携帯を鞄に入れた。
「さて!これからどうしようか?」
健さんが運転席の背もたれに背中をつけて、そう言いながら背伸びをした。
太一からの無言電話事件で、すっかり忘れてたけど、今日は帰らないんだった。
今日は帰らないイコール朝まで健さんと一緒。
朝まで一緒にいるのは、心お兄ちゃんが入院した時以来、2回目。
あの時は事情が事情だっただけに仕方なかったけど、今回は違う。
そう思うと、静かだった胸の鼓動が急に早くなっていくのがわかった。