「もしもし?」
携帯を持つ手も声も震えてる……。
相手は何も言わない。
「…………太一、でしょ?」
だから思いきって名前を言ってみた。
『…………舞?』
私の名前を呼ぶ声と聞いた時、恐怖感が込み上げてきた。
やっぱり……無言電話の犯人は太一だったんだ……。
「もう、電話しないで!」
震える声で、絞り出すようにそう言った。
『この前、スーパーの駐車場で一緒に車に乗ってた男と、今、隣にいる男は同じ人?』
あの時、見られてたんだ……。
「そんなのアンタには関係ない……」
その時、隣にいた健さんが私の肩をポンポンと叩いた。
健さんの方を見ると、携帯を貸して?とジェスチャーで伝えてくる。
私はコクンと頷くと、健さんに携帯を渡した。



