「もう帰らねぇとマズイよなぁ……」
「えっ?」
健さんの言葉に急に現実に引き戻されたようだった。
「舞は高校生で未成年だし、さすがに送って行かねぇとマズイだろ?家族も心配するだろうし……。もう少し早く出れば良かったな……ゴメンな……」
健さんはチラッと私を見ると、私の頭を優しく撫でてきた。
私の家に行くまでの間だけが健さんと2人きりの時間になってしまう。
そんなの嫌だよ……。
健さんと一緒にいたい。
もっと、もっと一緒にいたいよ……。
でも、健さんは私のことを思って送り届けようとしてくれてるんだよね?
健さんの気持ちは嬉しい。
本当に大切にしてくれてるって感じるから……でもね……。
その時、義伯母さんが「楽しんで来てね。もし、お泊まりになった時には連絡してね」と笑顔で言った言葉が頭に浮かんだ。