「やるよ。だって前に欲しいって言ってなかったっけ?」


「言いましたけど……でも、これクロムハーツの中でも高いやつですよ?本当に、いいんっすか?」



えっ?


クロムハーツって、そんなに高いの?



「いいよ。俺には舞がくれたやつがあるし」



健さんはそう言って、藤田さんにニッコリ微笑んだ。



「ありがとうございます!」



藤田さんが健さんに大きな声でお礼を言う。


その後「これ、10万以上するんだろ?」っていう声が聞こえてきた。


じゅ、10万!?


嘘でしょ?


私が買ったZippoが何個買える?


軽く20コは買えちゃうよ?



「健さん、あげていいの?あれ、高いんでしょ?」


「あ?あぁ、いいよ。だって、さっきも言ったけど、俺には舞がくれたのがあるしさ」


「そ、そうだけど……でも……」



あんな高いモノをあげちゃうなんて……。



「いいんだよ」



健さんは、私の頭を撫でながらそう言うと、私があげたZippoを嬉しそうにニコニコしながら皆に自慢していた。