「有坂、舞さんね?」
「あ、はい……」
只今、面接中。
在庫商品が山積みになったコンビニ裏。
事務机を挟んで、店長の相沢さんと向かい合わせに座ってます。
履歴書を見ながら時折チラッと私を見る相沢さん。
「で、夏休みの間だけバイトがしたいと……。その理由は?」
「えっ?」
理由?
“彼氏から逃れるため”
なんて本当の理由を言っていいの?
それとも……夏休みの間だけのバイトはダメとか?
長期、バイト出来る子を探してたとか?
私は俯き加減で目だけで相沢さんを見る。
履歴書を見つめる相沢さん。
30代くらいかな?
短い髪が清潔さを感じさせる。
長い脚を組んで座る姿はモデルみたい。
コンビニの店長なんて勿体無い。
「何か話せない理由でもあるの?」
なかなか答えようとしない私の顔を覗き込むように見て、優しい笑顔を見せる。
私は頭を左右に振った。
どうしよう……。
私はスカートをギュッと握った。