【完全版】このいっぱいのLove Songをキミに捧ぐ




結局、あれから知らない番号からの着信はなく、クリスマスイブの朝を迎えた。


知らない番号からの電話は何だったのか……。


もしかしたら間違い電話だったのかも。


そんなことを思いながら、バイトに行く用意をしていた。


一昨日はバイトを休んで、昨日は元々、バイトは休みだった。


健さんとは電話やメールはしたけど、一昨日と昨日と会っていない。


今日はクリスマスイブ。


バイトは午前中で終わり。


バイトが終わったら、スタジオに行って、皆で簡単なクリスマスパーティーをして、夕方から健さんと2人の時間を過ごす予定。


でも相変わらず健さんの仕事は忙しいから、2人きりの時間も長くは無理だと思う。


それでも私は健さんと初めて過ごすクリスマスにワクワクしていた。


義伯母さんには、学校の友達とパーティーするから遅くなると言って嘘をついた。


義伯母さんは「楽しんで来てね。もし、お泊まりになった時には連絡してね」と笑顔で言ってくれた。


“お泊り”の言葉を聞いて、胸が“ドキン”と跳ねた。


私は義伯母さんに何も言えず、健さんへのプレゼントとスタッフさんへのプレゼントが入った紙袋を持って家を出た。