振り返ると、そこには2若い看護師さんが笑顔で立っていた。
「お見舞いですか?」
看護師さんは私が持っていた花に一旦、目線を落とした後、またすぐに私の方を見て、そう言うとニッコリ微笑んだ。
「はい!でも、何号室かわからなくて……」
「入院されてる患者さんのお名前はわかる?」
「有坂、心って言うんですけど……」
看護師さんは「有坂さん?」と呟いた後、少し考えてるような感じで目を下に向けた。
「あぁ!」
しばらくして、看護師さんは声を出して私の方を向いた。
「昨日、急患で運ばれた有坂さんね」
「そうです!」
こんな大きな総合病院なのに、患者の名前を言っただけで誰だかわかるなんて、さすが看護師さん。
凄いな……。
「有坂さんの病室は502号室ですよ」
「ありがとうございます!」
私は看護師さんにお礼を言って頭を下げた。



