【完全版】このいっぱいのLove Songをキミに捧ぐ




ホテルを出て、病院に着いた時には、お昼前だった。



「俺、車の中で待ってるから行っておいで?」


「うん。行って来るね」



私はそう言って、病院に来る前に買ったお花を持って車を降りた。


昨日と同じ、夜間救急の入口から病院の中に入った。


病院独特の匂いが鼻を掠める。


夜間救急の入口からエレベーターの前に行った私。


その横の壁にある院内の案内板を見た。


あれ?


そう言えば……心お兄ちゃんの病室って何号室なんだ?


今更、心お兄ちゃんの病室が何号室かわからないなんて……。


昨日、聞いとけば良かった。



「どうかしましたか?」



そんなことを思いながら院内の案内板の前で固まってる私の後ろから優しい女性の声が聞こえた。