「何でそんなに笑うんだよぉ!」
「だって……健さんが山を走り回ってたなんて想像出来なくて……」
私はそう言いながらクスクス笑い続けた。
「お前なぁ。生まれた時からこのまんまじゃなくて、俺にだって可愛い子供があったんだからな」
「わかってるよ。わかってる……でもね……ぷっ……」
「そうやって笑い続けるんだったら、こうしてやる」
健さんはそう言って、私の体をくすぐり始めた。
体中がゾワゾワして、余計に笑えてくる。
「や、やめ……キャー……ダ、ダメ、だよ……」
「ゴメンなさいは?」
「ゴ、ゴメン、なさい……キャハハ……キャー……」
私はそう言いながら体をソファーの上に倒した。
健さんがその上から私を見る。
顔から笑顔が消え、笑い声も消え、真顔になる私と健さん。
“ドクン――”
急に込み上げてくる胸の鼓動。
“ドキドキ――”
急に静かになった部屋の中に私の胸の鼓動だけが響いているみたいで、それが健さんにも聞こえるような気がして顔が熱くなっていく……。



