【完全版】このいっぱいのLove Songをキミに捧ぐ





「そんな事で謝ることないよ」



健さんはそう言って、私の頭をポンポンとした。



「舞に教えてやるよ。俺の家族の話」


「いいの?」


「別にいいよ。だって隠す事じゃねぇし」



健さんは新しいタバコを口にくわえ、火をつけた。



「俺んちは、今は引退したけど、元普通のサラリーマンだった親父と専業主婦のおふくろと、1番上が姉貴、その下に兄貴、そんで末っ子の俺の5人家族。実家のあるとこはさぁ、すっげー田舎で周りは山と田んぼしかねぇとこで……」



健さんはそう言ってタバコの煙を吐き出した。



「ガキんときは探検とか言って友達と山ん中を走り回って、毎日、泥だらけで遊んでたんだ。で、家に帰ったら兄弟喧嘩してさぁ。おふくろによく叱られてたよ」



健さんはクスッと笑った。



「へぇ、そうなんだぁ……」



私の知らない健さんの子供時代。


私が生まれる前の話し。


何か新鮮に感じる。


でも、山とか走り回ってたなんて想像できないなぁ……。


それを想像すると、おかしくてクスクス笑ってしまった。