「お兄さんに会えなくて残念だったな」



車に戻った時、健さんはそう言って私の頭を撫でた。



「うん。でも、たいした怪我じゃなかったみたいだから安心した。私、明日のバイトを休んで、また病院に行こうと思ってる」



たいしたことなくても、やっぱり心配だから……。



「俺も付き合うよ」


「えっ?」



私は健さんの言葉にビックリして思わず声を出した。



「付き合うって言っても、明日も俺はここで待ってるから……」


「でも……健さん、仕事が……」


「そのことなんだけど、さっき吉形から“遅い”って、電話あったんだよ。で、事情を説明したら、あいつ何て言ったと思う?」



私はわからなくて、首を左右に振った。



「帰って来なくていい。てか、帰ってくんな。舞ちゃんの傍にいてやれ。だってさ」



って、健さんはクスクス笑いながらそう言ったけど……。


でも、大丈夫なのかなぁ……。


私のせいで皆に迷惑かけてる……。


健さんだけじゃなくて、メンバーにもスタッフにも。