【完全版】このいっぱいのLove Songをキミに捧ぐ




病院に着いた時には22時を少し回っていた。


病院の駐車場に車を停める。



「俺、ここで待ってるから行っておいで」


「うん」



私は車から降りて夜間救急の入口に急いだ。


入口から中に入ると、診察を待っている人が何人か廊下の長椅子に座っていた。


心お兄ちゃん、どこにいるんだろう……。


周りをキョロキョロ見ていると、ちょうど処置室から出て来た看護師さんを掴まえた。



「あ!あの……ここに有坂心って人が運ばれて来たはずなんですが……。心お兄ちゃんはどこですか?無事なんですか?怪我は?」



看護師さんの両腕を掴んでそうまくし立てる私に看護師さんは私の手を優しくギュッと握ってきた。



「落ち着いて」



そう優しく穏やかな口調で言う看護師さん。



「あ、ゴメンなさい……」



私は看護師さんの腕から自分の手を離した。



「あの、この病院に有坂心っていう人が運ばれて来たって聞いたんです。私、有坂心の家族の者です」


「有坂、心さん?」


「はい」


「ちょっと待ってね」



看護師さんはそう言って、処置室に入って行った。