「舞、大丈夫だから落ち着けって……」
健さんが私の体をギュッと抱きしめてくれた。
健さんの温もりが体に伝わって来る。
こんな時でも私の胸は“ドキン、ドキン”と激しく鳴っていた。
「私、病院に行く……。心お兄ちゃんの事が心配だから……病院に行く。行かなきゃ……」
「舞?お兄さんが運ばれた病院、何病院?」
「えっと、○○総合病院……」
「○○総合病院?」
健さんは病院の名前を呟くと何か考えてるみたいだった。
「舞?走れる?」
「えっ?」
「スタジオまで走れる?」
何でスタジオ?
私は病院に行かなきゃいけないのに……。
普通は駅に……。
「健さん、私は病院に……」
健は私の体を離すと、私の手を握り「行くぞ?」と言って、握った手を引っ張って走りはじめた。



