「ところでさぁ……」



細野さんが体を起こした。



「俺のことは名前で呼んでくれないの?」


「えっ?」



細野さんを名前で?


名字で呼ぶのっておかしいのかなぁ……。


でも……恥ずかしくて名前で呼べないよ……。



「なぁ、舞?俺のこと名前で呼んでみてよ」


「えっ……えぇっと……今は恥ずかしいから、そのうち、ね?」


「えぇ~!今すぐ呼んでみてよ」



うぅ……恥ずかしいけど……。



「早く!」



細野さんが子供のように目をキラキラさせて私を見てる。


ここは恥ずかしいけど名前で呼ぶしかないか。


名前を呼ぶだけなのにドキドキしてる。