「いいんじゃないか?舞、やってみなさい」
しばらく考え込んでいた伯父さんは真っ直ぐ私の目を見ながらそう言った。
「ホント!?」
「あぁ。その代わり約束して欲しいことがある」
「約束?」
「朝から夕方までのバイトを選ぶこと。夏休みが終わったらバイトは辞めること。この2つの約束だけは守って欲しい」
「うん、約束する」
私は伯父さんにニッコリ微笑んだ。
伯父さんの顔にも笑顔が戻る。
それからまた楽しい晩ご飯の時間が再開した。
夏休みが終わるまで1ヶ月ちょっと。
早くバイトを見つけなきゃ。
太一から逃れられると思っていた。
恐怖から解放されると思っていた。
この時までは――……。



