今、私は細野さんの胸の中にいる。 私の真上に細野さんの顔がある。 細野さんの優しい息遣いが聞こえる。 私の胸はドキン――ドキン――と、張り裂けそうなくらい痛い。 抵抗することも、しゃべることも出来ない。 ドキン――ドキン――。 自分の胸の音だけが耳に聞こえてきて……。 私は細野さんのことを――……。 「あのさ……舞ちゃん……」 私の真上で細野さんの優しい声がした。 恥ずかしくて、顔を上げれない。 返事も出来ない……。