【完全版】このいっぱいのLove Songをキミに捧ぐ





「あのさぁ……」



細野さんはそう言って、体をリアシートの方に少し倒した後、また運転席に体を預けた。



「これ……舞ちゃんにあげる……」



えっ?


これ……。


細野さんの手に握られていたのは携帯ショップの紙袋。


その紙袋を私の方に差し出してきた。



「これ、細野さんが……」


「あれは嘘で……」



嘘?


どういうこと?



「本当は舞ちゃんにあげるために買ったんだ……」


「でもそれは……」



太一からの着信やメールを避けるために携帯を変えた方がいいと思ったけど、でも私は未成年だからって……細野さんにちゃんと話したよね……。



「舞ちゃんの言いたいことは、わかってる……。嘘ついたことも悪いと思ってる。だから、この携帯を俺専用の携帯にして?」


「えっ?」



俺専用の携帯って……。


その時、腕を引っ張られた。


何が起こったのかわからないまま気付けば私の体は細野さんの腕の中にスッポリ収まっていた……。