「あ、細野さんも私に何か用だったんじゃないんですか?」


『うん。皆にちゃんと話せたかな?って気になってね』


「ご心配おかけして、すいません」



目の前に細野さんがいるわけじゃないのに私は頭をペコリと下げた。


でも細野さんが気にしていてくれたことが嬉しかった。



『それと……』


「えっ?何ですか?」


『舞ちゃん、今日、家を出れる?』


「えっ?」


『買い物に付き合って欲しいと思って……。ついでに飯でも、と思ったんだけど……』



胸がトクンと小さく鳴った。



『舞ちゃん?急だったからダメだったかな?』


「…………えっ?あ、いや……ダメじゃないです」


『良かった。夕方になったら少し時間が空くから……そうだなぁ……5時はどう?』


「あ、はい。大丈夫です」


『じゃー、5時に迎えに行くから』


「えっ?迎えに来てもらっていいんですか?もし場所を指定してくれたらそこまで行きますよ?」


『今は1人で行動しない方がいいし、俺が迎えに行きたいから……』



細野さんの言葉でトクンと小さく鳴った胸はドキドキと大きく脈を打っていた。