「舞ちゃん、話って何?」



純お姉ちゃんが笑顔でそう聞いてきた。



「…………うん」



私の深刻そうな顔を見て、純お姉ちゃんの顔からも笑顔が消える。


さっきの義伯母さんみたいに。


太一のことを話さなきゃいけない……。


変に胸がドキドキする。


皆が私を見てる。



「あ、あのね……実は……。彼氏と、別れたんだ……」



私がそう言うと、皆は目を見開いた。



「えっ?何で?彼氏と仲良かったじゃん」



そう言ったのは心お兄ちゃん。


皆は私と太一が仲良かったと思ってる。


それは私が太一とのことを笑顔で話してたから。


いかにも仲良しでラブラブなことを演じてた。



「あのね……仲が良いのは嘘なの……。ホントは仲なんか良くないんだ……ラブラブでもないんだ……」



そこまで話したら胸がキューと苦しくなって目に涙が溜まっていった。



「暴力……太一から暴力、振るわれてるの……」



そう言った途端、目に溜まっていた涙がポロポロとこぼれ落ちた。