「どうしよう……」
太一の怒った顔が、イライラして私を殴る顔が頭に浮かぶ。
怖くて体が震えだす。
「舞ちゃん、大丈夫?」
細野さんは車を路肩に止め、私の頭を優しく撫でてくれた。
「伯父さん家族に、ちゃんと事情を説明した方がいい。それから、なるべく1人にならないようにした方がいい。バイトや学校の行き帰りは特に……」
「事情は、ちゃんと話します。学校の行き帰りも友達と一緒なので大丈夫です。でもバイトの行き帰りは無理かも……」
伯父さんも義伯母さんも仕事をしてるし……。
おばあちゃんも老人会やらで何かと忙しいし……。
心お兄ちゃんは仕事が忙しくて帰って来るのはいつも夜中だし、純お姉ちゃんは学生だけど、家にいないことの方が多いし……。
「そっか……」
細野さんは何か考えるようにそう呟いた。
「バイトって、いつまで続けるの?」
「夏休み中だけです……」
「じゃー……いけるかな……」
細野さんは、そうポツリと呟いた。
「舞ちゃん?」
「あ、はい」
「バイトの行き帰りは俺が付き合うよ」
細野さんはそう言ってニッコリ微笑んだ。



