【完全版】このいっぱいのLove Songをキミに捧ぐ





「なぁ、舞ちゃん?」



細野さんに名前を呼ばれ、私は顔を上げて細野さんを見た。



「俺、さっき彼氏といて楽しい?幸せ?って聞いたよね?」


「…………ん」


「何でそんなこと聞いたか……。舞ちゃんさぁ……彼氏にDV受けてない?」


「えっ?」


「舞ちゃんに初めて会った時にそうなのかな?って思ったんだ。この前、スタジオに遊びに来てくれて帰る時に、喧嘩してたヤツらの声を聞いた舞ちゃんの様子を見てやっぱりそうなのかな?って思ったんだ……」



やっぱり細野さんはわかってたんだ……。


私が太一から暴力を振るわれてることを。



「でも、これは俺が勝手にそう思ったことだから、もし違ってたらゴメン……」



私は首を左右に振った。



「その通りです……」



私がそう言った後、細野さんは「やっぱり……」と、そう呟いた。