牢獄の姫君









私は涙を流していた。






「わたしたちのせいでお前を苦しめた。すまない…─この通りだ…─」





国王の父が頭をさげた。




私はうろたえた。






「…陛下…お父様、顔をあげてください…。わたしはもうお父様やお母様を恨んでいません。


お父様とお母様の子でよかったと心から思います…



でも私…
嫁ぐ前に



一つやり残したことがあるので…………」






私はぼっとしている父を残して王宮をでた。